K様邸は2年前に弊社で住宅診断(ホームインスペクション)をさせていただいたお宅でした。その際、1階に収納がないことが気になりました。
2年後、片付かなくて自分ではどうにもならない、と奥様がご相談にいらっしゃいました。奥様は相当ストレスを感じていらっしゃる様子で、『有効な収納スペース』の確保が必須でした。
少しでも片付けやすく、家族がくつろげる家をめざしました。
まずは、収納診断を受けていただき、プランシート(提案書)を提出させていただきました。その中のいくつかを採用いただき、収納プランニングに入りました。
K様邸の1階は、収納場所が足りないため、どうしても物が床置きになってしまっていました。まずは収納スペースを確保しなければなりません。
奥様は、部屋を狭くしたくない、圧迫感を出したくないとの思いから、思い切った収納を作れずにいらっしゃいました。収納スペースを作ることによって、床面積は減りますが、床置きにしないことで空間は整理され、広く感じられるようになります。
平面図(A3)に家具や物のレイアウト、収納の仕方など提案のコメントを書き入れたプランシート
回り込むような無駄な動線をなくし、圧迫感を出さないために、壁一面を使ったベンチ収納をご提案しました。ベンチとテレビ台を一体にすることで、無駄な隙間を無くし、ふきだまりができないようにしました。
ベンチは二つに分け、固定せず置き型にしたので、移動して自由に使うこともできます。
6畳の和室は、「客間」としての機能を残しておこうとする意識がネックとなり、うまく利用されていませんでした。ひとまず「客間」の用途をはずせば、フレキシブルに使うことができます。
子どもたち3人分のランドセル、学校用品、脱いだものなどを1ヶ所にまとめ、置き場所を決めてやることで、床置きがなくなります。それでも置き場がないものは、それぞれのかごにひとまず入れることにします。
これらの家具も置き型なので、将来子どもたちが大きくなったら2階に移動し、「客間」としての機能に戻すことができます。
キッチン背面の壁のほんの小さなスペースですが、可動棚を設置し、床下収納庫からいちいち出して使っていたホットプレートや、日頃使いのトレーなどを収納しました。 また、固定棚を一枚設け、お気に入りの珈琲カップや小物を飾りながら収納できるようにしました。