無料簡易耐震診断を受けられたI様御夫妻から、正式に耐震診断・耐震補強のご依頼がありました。
築45年の建物で、長い間住みにくいところをいろいろ工夫されながら住まわれていらっしゃいましたが、息子さんが同居されることもあり、これからも安心して暮らせるようにと耐震リフォームを決断されました。
耐震補強と共に、暮らしにくかった部分の改善を考慮しながら、補強計画を進めました。
狭かった玄関の増築と、浴室の改修部分を中心に耐震補強を行い、不足分は内装工事が極力発生しない壁で補強を計画しました。
主な改修部分
A. 玄関増築
B.浴室の改修
C.洗濯機置場の確保
D.和室を洋室仕様(フローリング)に変更
モルタル塗りの外壁は亀裂が多く、補修痕もたくさんありましたので、防水も兼ねて軽量の金属サイディングで全面改修しました。玄関部は半坪を増築しました。
玄関の土間が狭く、上がるとすぐ階段なので大変危険でした。半坪分を増築し、ホールを広くとり、収納も造作しました。
「ちょっと玄関らしい玄関になるかしらねぇ」と奥様が笑っていらっしゃいましたが、お茶をやっていらっしゃったという奥様がお花を飾るスペースもでき、立派な玄関になりました。
既存のタイル貼りの浴室は寒く、またタイルからの漏水も懸念されましたので、全面改修しユニットバスへの交換をご提案しました。解体してみると、浴室廻りの柱や土台、筋交いはシロアリの被害、腐朽がありましたので、すべて交換し、耐震補強を施しました。既存の基礎から耐震補強用アンカーボルト(後施工用)で土台を固定しました。
在来浴室を解体すると、躯体の腐朽が見つかることがしばしばです。
外部隅柱の腐食→
洗濯機置場がなかったので、浴室の入口前に2槽式の洗濯機を設置していたため、浴室の入口が狭く、横向きに入らなければなりませんでした。また、給水もなかったため、洗濯機を使うたびにホースを浴室の水栓に繋がなければならず、大変不便でした。
隣の和室側の押入を改修し、洗濯機置場を確保しました。 洗面台は奥行きが浅くコンパクトでありながら、ボールが大きめで使い勝手の良い洗面化粧台に替え、洗面スペースが明るく機能的になりました。
キッチンの長さが1700で作業台が取れず、奥様は苦肉の策でまな板を流しに渡して作業スペースを作っていました。収納も少なく、階段下のごちゃごちゃを隠すためのアコーディオンカーテンは圧迫感がありました。ゴミ箱を兼ねたキャスター付きカウンター収納を作り、移動して一時置場などに使えるようにしました。また、階段下にキャスターで出し入れできる収納を設け、不要な物を処分し、使うものを収納していただくようにしました。
リフォームが完成すると、Iさんご夫婦はご近所にお赤飯を振舞われました。
ご近所を大切にする、Iさんご夫婦のお人柄の良さを感じました。
どうぞいつまでもお元気で。