1階は、もともとご同居されていたご両親のスペースだったため、Yさん御夫婦はほとんど2階で生活されていました。今回、生活スペースを1階に移すため、大きく間取りを変えたリノベーションになりました。
お料理大好きな奥様のご要望は、オリジナルの対面キッチン。友達を招いておしゃべりしながら料理や食事を楽しみたいということでした。
南北を分けていた長い中廊下の壁を取り払い、オープンにして、対面式のキッチンを設けることにより、風が通り抜ける、気持ちの良いLDKになりました。
トイレの天井や洗面所の壁を奥様が塗り、キッチン下の収納などは、使い勝手に合わせてご主人様が作るという、ご夫婦のアイディアと手作りに溢れた、とても豊かで素敵な空間ができあがりました。
中廊下の北側にあった浴室と洗面所を、西側の、もとキッチンがあった場所に移し、そのスペースに対面キッチンを設けました。東西に長かった廊下の壁を取り払ってオープンなLDKとしました。
和室には、新しくできた廊下から入れるようになり、お客様の宿泊にもご利用できます。
その廊下に面して2帖分の収納スペースも設けました。
Y邸はハウスメーカーの軽量鉄骨造でしたので、構造体をいじることができませんでした。
壁を解体すると、黒い鉄骨の柱と、ブレース(筋交い)が現れました。
柱は板でくるみ、ブレースは現(あらわ)しとし、奥様ご指定のグリーンで塗装し、あたかもはじめからデザインでそこにあるかのように活かすことができました。
奥はユニットバスと洗面所、手前にリビング、その間の2本の柱で挟まれた部分が廊下でした。
和風の玄関引戸を洋風ドアに交換するのに合わせて、玄関部分の外壁を杉板で下見板貼りとし、ドアと合わせてモスグリーンに塗りました。ちょっとブリティッシュな香りがします。
断熱ドアとし、壁にも断熱を施したことにより、玄関の寒さがやわらぎました。玄関入口に置いてあった観葉植物も元気になったそうです。
1階トイレと洗面所の内装は、奥様がDIYで仕上げました。トイレは白い漆喰塗の壁に天井をブルーでペイントし、タイルピースをアクセントに使っています。洗面所は温かみのあるピンクの漆喰塗です。漆喰や珪藻土など、今は手軽に塗れるものも出回っていますので、洗面所やトイレなど小さなスペースをご家族で塗ってみるのも楽しく、思い出になることでしょう。
完成のお祝いに工務店とお邪魔し、お料理上手な奥様の手料理をご馳走になりました。
奥様は、道具を見せながら使いやすく収納するのがとても上手です。
作る人が楽しく料理できるなら、出てくるお料理も美味しいはずですね。
DIYが得意なY様ご夫妻、これからも仲良く、お二人らしいお住まいをつくっていってください。