新浦安の3LDKマンションにお一人でお住まいのY氏の最初のご希望は、「集めたマグカップや船の模型を飾る棚が欲しい」ということでした。どうせリフォームするなら、ただ棚を付けるだけでなく、生活の愉しさや喜びを感じられる空間にできたらという思いで、リビングだけでなく和室とバルコニーも含めてのプランをご提案しました。
専門学校の「クルージング講座」講師というだけあって、Yさんは海が大好き。
ブルーをテーマカラーとし、海を感じる空間をめざしました。
リビングは朝の海をイメージ。
光沢のあるメラミン化粧板で朝の光にきらめく海面を表現。白に濃紺のラインで、きりりとした空気をかもしだしています。趣味のギターやポストカードの額装もディスプレイし、好きな物に囲まれた空間となりました。
リビングに向かい合った和室は夕方の海をイメージ。
海に沈んでいく夕日をかたどりました。梁型を利用した間接照明の壁になっています。あまり活用されていなかった和室が象徴的な空間に生まれ変わりました。
無機質だったバルコニーには、並べて置くだけのウッドタイルを敷き詰め、もうひとつのくつろぎ空間に。手摺の向こうには椰子の葉が見え、ブルーのカーテンを揺らす風は海のにおいを感じます。
リフォームを考える際、統一感を出すために、スタイル、様式を決めてデザインすることが大切です。
また、「テーマ」を持って進めると潤いのあるリフォームが実現できるでしょう。
テーマは、そこに住まうご家族の職業や趣味、大切にしていることや物などからイメージすると、その家らしさが出て、個性が表現されるのではないでしょうか。
空間にはそこにいる人を、癒したり、安らげたり、元気にしたり、という力があると思います。
単なる設備の交換や色を変えるだけにとどまらず、住まいに新しい風を吹き込み、生活に潤いを与えられるのもリフォームの大きな魅力です。